10回目の「誕生日」でプレゼントをもらったせんとくん=2018年2月12日、奈良市の奈良公園、加治隼人撮影
奈良県の公式キャラクター「せんとくん」のイラストの使用料が8月から無料になる。荒井正吾知事が13日の定例会見で発表した。「県職員」として奈良のPRに取り組み、誕生から10年を迎えたせんとくん。県は、使用料収入が低迷する中、無償化で人気の再燃を図ろうと期待を寄せる。
イラストは、商標登録する県に、商品などの販売総額の3%の使用料を払えば商用利用を認めてきた。8月1日から、県に事前申請して認められれば、官服やはかま姿のデザインなど全8種類を無料で使える。
これまでの使用料収入は、平城遷都1300年祭があった2010年度の約4909万円をピークに減少。17年度は約160万円と低迷していた。県は、無償化しても損失は少なく、むしろ土産品の開発などでより広く活用してもらう方がPRにつながるなどと判断したという。
民間調査会社「日本リサーチセンター」によると、ご当地キャラの中で、せんとくんの認知度は全国3位(17年)と根強い存在感を示している。ちなみに、1位は熊本県の「くまモン」、2位は千葉県船橋市の非公認キャラクター「ふなっしー」だ。
荒井知事は「初めは外でたたかれてたけど、立派に成長してくれた。もう課長級くらいかな」と働きぶりをねぎらい、今後の活躍に期待した。(加治隼人)