支援通信
不安や不眠の訴えが、西日本豪雨の被災者から、被災県の心の相談窓口に寄せられている。相談にのる担当者は「今は無理をせず、自分に優しくしてあげて」と呼びかける。
被災地のために今できること…西日本豪雨支援通信
ボランティア・義援金受け付けはこちら
西日本豪雨、列島各地の被害状況は
広島県と広島市の精神保健福祉センターの相談窓口には、「今後の生活が不安」、「眠れない」、「子どもの様子が心配」など、計45件の相談が7月10日~22日に寄せられた。岡山県精神保健福祉センターの相談窓口にも「被災した自宅の片付けなどで、家族ががんばりすぎていて心配」など36件の相談が7月9日~24日にあったという。
同センターによると、突然の大災害の後、不眠になったり、頭痛や胃痛などの体の不調が出たりすることがある。罪悪感や無力感を感じたり、見捨てられたような気持ちになったりすることも。こうした変化は誰にでも起こりうる正常な反応という。
回復には、睡眠や休息、食事をできるだけ十分にとることや、ストレッチなどの軽い運動、「がんばりすぎないようにすること」などが大切で、ほとんどの場合は時間と共に回復していく。
ただ、気持ちや体の苦痛が強すぎる▽酒量が増えた▽つらい気持ちを話せる相手がいないといった場合は、保健師や医師などの専門家に早めに相談する必要があるという。
同センターで被災者の相談にのる保健師の岡部佳奈映さんは「発災から間もない時期は、『がんばらなくては』と気がはり、自分のストレスに気づかない被災者も少なくない。家族や知り合いの様子が『いつもと違う』と感じたら、『家の片付けを休む日』を作るなど、休息もしっかりとって欲しい」と話す。
西日本豪雨の被災者らを対象に、各県などが設置した心の電話相談は次の通り。広島県総合精神保健福祉センター(082・884・1051)と、広島市精神保健福祉センター(082・245・7731)は、土日祝日を含む毎日、午前9時~午後5時。岡山県精神保健福祉センター(086・201・0850)は平日午前9時~午後4時。岡山市こころの健康センター(086・803・1274)は、平日午前9時~正午と午後1時~4時。愛媛県の「被災者専用こころの相談ダイヤル」(0800・200・2222)は、平日午前9時~午後5時。(長富由希子)