西日本豪雨の被災地では、大量の土砂が復旧作業を阻んでいる。そんななか、ツイッターに投稿された土砂の簡単除去法を紹介する動画が話題になっている。投稿から数日で再生回数は400万回を超えた。
被災地のために今できること…西日本豪雨支援通信
西日本豪雨、列島各地の被害状況は
「底のないペール缶1缶あれば大丈夫」
45秒間の動画は、広島市南区のガス店主、柴田脩司(しゅうじ)さん(53)の一言から始まる。土囊(どのう)袋の内側に底を抜いたペール缶(直径約30センチ、高さ約33・5センチ)をさし込み、立てる。大きく開かれた袋の口から土砂を入れる。そして、ペール缶を引き抜くと、簡単に土囊袋に土砂を詰められた。
柴田さんが動画を撮ったのは16日。新聞で被災者らが2人でペアになって土囊袋に土砂を詰めているのを知り、「もっと簡単な方法があるのに」ともどかしさが募った。家を流された知人もいるが、なかなか被災者の役に立てていないはがゆさもあった。ペール缶を使って土囊袋に詰め込む方法は、建設業の人たちの作業を見て知っていた。
動画をインターネットで広めれば、被災者に届きやすいだろうと考えた。店の向かい側のガソリンスタンドの協力を得て、ペール缶を使った方法を撮影した。
動画を自身のフェイスブックやLINE(ライン)に投稿すると、イギリスに滞在している長男がツイッターに動画を転載。5日後には、投稿は15万回以上リツイート(転載)され、動画再生回数は400万回を超えた。
ツイッター上では「単純だけど画期的な方法」「よい情報をありがとう」などとコメントが相次ぎ、ドラム缶の業界団体から底なしのペール缶600缶も寄付され、広島市や広島県坂町などのボランティア拠点に寄付した。
柴田さんは「情報がこんなに広がるとはびっくり。被災者の方々の役に立てばうれしい」と話した。(吉川喬)