カンボジア下院(定数125)の総選挙が29日、投開票された。2013年の前回総選挙で4割を超す票を得た最大野党・救国党が解党され、与党・人民党の勝利が確実視されるなか、与党関係者は100議席を超えるとの見通しを明らかにした。選挙管理委員会によると、投票率も前回を10ポイント以上上回る82・17%だったが、選挙の正当性を問う声は収まりそうにない。
与党関係者は暫定的な集計として「80%以上の票を得て、議席は100を超えるだろう」と述べた。与党の圧勝となりそうだ。
人民党を率いるフン・セン首相は同日朝、南部カンダール州で投票し、笑顔で投票用紙を記者団に掲げてみせた。選挙戦でフン・セン氏は、人民党こそが国に平和や経済発展をもたらしたとし、「選挙での正しい選択が成長や繁栄、幸福をもたらす」と人民党への投票を呼びかけてきた。
また、「正当な政府を転覆しようとした前野党の試みは、法的措置で阻止された」と述べ、昨年11月に救国党の解党を命じた最高裁の判断を正当化した。
だが、解党はフン・セン政権が救国党の勢いを恐れたためとみられており、国内外から批判を浴びた。救国党の元幹部らは今回の総選挙を「フェイク(偽)」だとし、投票のボイコットを呼びかけた。
一方で、野党勢力の中からは、…