25年間期限付きの遺体埋葬も可――。シドニーが州都のオーストラリア・ニューサウスウェールズ州が墓地利用にこんな新ルールを決めた。人口増で将来、埋葬場所がなくなる心配からだ。ただ、期限が切れた後には遺体を掘り起こすことになる。市民の抵抗感も強く、墓地不足の解消につながるか疑問の声もある。
同州の墓地・火葬場法に今年6月下旬、埋葬する区画を永代利用する従来の権利のほかに、25年間から99年間までの期限付きの権利の手続きの規則が加えられた。期限が短いほど、使用権は安くなる見込み。遺族に確認する手続きをしたうえで、期限を更新しない場合は遺体を掘り起こし、別の遺体の埋葬の区画として使える。掘り起こした遺体は処置後に納骨堂などに移すことになる。
同州の最大都市シドニーでは2011年に429万人だった人口が36年には642万人になる見通し。州当局は、人口増の結果として今後は亡くなる人も増え、このままでは、50年代に市内の墓地の埋葬場所が使い尽くされると予測する。
同州では年に5万人以上が亡く…