「見た目問題」に苦しむ人たちを支援、外川浩子さん(51) 原点は怒りだ。20代後半につきあっていた男性は、顔の下半分に皮膚移植の痕があった。赤ちゃんのころのやけどが原因だ。並んで歩くと、ジロジロ見られ、コソコソと「あの顔見た?」と話す声も聞こえてきた。 見た目で差別しないで 支援に一歩前進、初の陳情書 「悪いことをしてもいないのに」。視線の暴力を知った。 顔の変形、アザ、全身の脱毛。好奇の目にさらされ、就職や結婚でも差別を受ける。だが、多くは治療の緊急性がなく、機能的な障害がないため、福祉的なサポートはほとんどない。そんな問題を「見た目問題」と名付け、苦しむ人たちを支援してきた。 2006年に立ち上げた「マイフェイス・マイスタイル」は11年にNPO法人化した。写真展や交流会にとどまらず、地元、東京・墨田の区議会に6月、相談窓口の設置など公的支援を求める陳情書を出した。採択した区議会は、就職差別禁止などの施策を求める意見書を国に出してくれた。 苦しむ人たちは、「他人が話しかけづらいのは仕方がない」と考え、自分から声をかけるといった努力をしている。そんな生き方を、かっこいいと思う。 でも当事者に我慢や適応を強いる社会はおかしい。見た目を重視する風潮を変えたい。「外見が人と違っても生きやすい社会は、誰もが自分らしい顔で自分らしい生き方ができる社会だと思う」からだ。(文・岩井建樹 写真・山本和生) |
突き刺す視線への怒りが原点 「見た目問題」支援の女性
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