金属をたたく轟音(ごうおん)が響く中、成形されたバットにグリップエンドを溶接する閃光(せんこう)がひらめく。23年間、金属バット作りに携わってきた佐藤一孝さん(41)は「10ある工程の一つを覚えるのに1~2年はかかる」と話す。
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国内で流通する金属バットの約半数を生産する岐阜県恵那市のUACJ金属加工恵那工場。スポーツメーカーからの発注で、重さやバランス、打球音などが違う、約30種を生産する。
「教えるより見せた方が早い」と、2年前から若手社員を甲子園に連れて行っている。バットのひと振りに泣き、笑う球児の姿を見て、仕事ぶりが変わった社員もいる。「バットは人が作るもの。品質は作り手の思い次第で変わる」(加藤諒)