キリンビールは、国産ウイスキー「キリンウイスキー 富士山麓(さんろく) シグニチャーブレンド」を21日から全国で売り出す。静岡県御殿場市の「富士御殿場蒸溜(じょうりゅう)所」で仕込んだ原酒を熟成のピークに着目してブレンド。洋梨やパイナップル、オレンジピールのようなフルーティーな香りが特徴という。アルコール分は50%。700ml入りで、参考価格は税別5千円。
国内のウイスキーの出荷量は、2009年以降9年連続で伸びている。樽(たる)で原酒を長期間寝かせ、その熟成年数をラベルに表示した商品は人気が高く、原酒不足で販売休止になったウイスキーもある。一方、同社のマスターブレンダーの田中城太氏さんは「ウイスキーは樽に入れておくほどおいしくなると思っている人が多いが、熟成にもピークがあるということを知ってもらいたい」と話す。ピークを過ぎると、渋みや苦みが強くなってしまうため、原酒ごとに違う味や香りの個性が最適になったタイミングを見極めてブレンドしたという。
昨年4月から同蒸溜所やキリンの通販ショップで販売されていたが、好評をうけて販路を拡大する。販売目標は、18年は8400ケース。(長橋亮文)