球児の定宿、一緒に泣き笑い 100回ならではの事情も——贯通日本资讯频道
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球児の定宿、一緒に泣き笑い 100回ならではの事情も

100回目の夏の高校野球。史上最多の56代表は、関西近郊のホテルに滞在して激戦を繰り広げてきた。手作りのおもてなしや験担ぎ、絶品の食事――。宿の人たちも様々な工夫で球児を支え、寄り添ってきた。


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昔は大部屋、いま個室主流


球児の宿は各都道府県ごとに定宿がある。飛行機で来る代表校は空港に近い宿、新幹線なら新大阪駅付近とできるだけ考慮しながら日本高野連が決めている。阪神甲子園球場がある兵庫県西宮市のほか、神戸市、大阪府内などの旅館やビジネスホテル。かつては畳の大部屋に布団を敷いて寝ていたが、個室にベッドが主流になった。


8強入りを果たした下関国際(山口)が泊まった中寿美(なかすみ)花壇(兵庫県西宮市)は球児を受け入れて約70年。3代目社長の北垣博規さん(38)が子どもの頃、球児は親戚のお兄さんのような存在だった。トランプで遊んだり、追っかけの女の子たちにサインを渡したり。逆転負けをして戻ってきた選手たちを「何て声をかければ良いんだろう。もう遊んでもらえなくなる」と見つめた記憶もある。


母が亡くなったと聞きつけて線香を上げにきた監督や、大学受験や就職活動で泊まりにきてくれた元球児もいた。近所の宿はほとんどが廃業したが、15の客室を切り盛りし、代表校の受け入れを続けている。「これはうちのプライドです」と北垣さん。


対戦相手を食べちゃう?


利尻昆布と枕崎のカツオ節でダシをとり、旬のハモが入った茶わん蒸し。鳥取城北が宿泊した宝塚ワシントンホテル(同県宝塚市)のある日の夕食にそんなメニューが並んだ。腕を振るったのはホテル内の日本料理店「島家」の料理長で「現代の名工」でもある上野研二さん(64)。


「酢の物」「炭水化物多め」など学校の要望を取り入れた献立を用意。球児たちは「めちゃめちゃうまい」と次々とおかわり。3キロ太った部員もいた。17歳で料理修業を始めた上野さんは球児に駆け出しの頃の自分を重ねる。「毎年、新鮮な気持ちになります」


食事で験担ぎをする宿舎もある。前橋育英(群馬)が泊まったホテル京阪天満橋(大阪市中央区)は「相手チームの料理を食って勝つ!」と、試合前日の夕食に対戦相手の地方ゆかりの食べ物を出すのが恒例。近大付(南大阪)との初戦を控えた6日夕はお好み焼きにかぶりついた。主将の北原翔君(3年)の「大阪の力をもらった」との言葉通り、2―0で競り勝った。


初出場した95回大会では、鹿児島のさつまあげ、神奈川のシューマイ、茨城の納豆、山形のサクランボ、宮崎のマンゴーを食べて頂点へ駆け上った。荒井直樹監督(54)は「勝ち上がる度に次は何が出てくるのかと楽しみ」と話していた。


通算100勝、横断幕で祝福


「歓喜と涙の数だけ積み上げて来た歴史がある」。1回戦で甲子園春夏通算100勝を達成した龍谷大平安(京都)が宿舎に戻ると、横断幕を広げた従業員が出迎えた。一般の宿泊客からも大きな拍手。原田英彦監督(58)は「ほんまにありがたい。ほっとして、力抜けましたわ」と満面の笑みをうかべた。


龍谷大平安と近江(滋賀)が宿泊した創業85年の「不死王閣」(大阪府池田市)。横断幕作りを呼びかけたフロント係の岡崎優介さん(28)は元高校球児。「自分にとって甲子園は夢のまた夢の場所。野球をやっていたからこそ、代表の子らがどれだけ努力していたかはわかるつもりです」


100回の記念大会ならではの悩みを抱えたホテルもあった。伊丹シティホテル(兵庫県伊丹市)は例年は埼玉と三重の2校を受け入れているが、今年は埼玉から南北2校が出場して3校を受け入れ、食事時間の調整などに追われた。


浦和学院(南埼玉)が19日朝にチェックアウトし、ホテルの「夏」も終わった。担当した小寺慶治さん(37)は18日朝の準々決勝で敗れた選手たちが戻った昼食時、監督が選手に伝えていた「ありがとう」の言葉が心に響いた。「全国大会で戦う選手を間近で応援できる。忙しいこともあるけれど、こういう瞬間があるから頑張れるのかも知れません」(藤野隆晃、高橋大作、国方萌乃)


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