公正取引委員会は、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)と十八銀行(長崎市)の経営統合計画を承認した。長崎県内の融資シェアが7割に高まることを問題視し、統合時期は2度延期された。銀行側が一定の融資を他の金融機関に移す(債権譲渡)対策をとるメドがたち、一転して認めることになった。24日午後に発表する。
今回の統合は地域の融資シェアが高くても、一定の債権譲渡ができれば経営統合が認められる、事実上初めてのケースになる。今後、FFGと十八銀行は2019年4月の統合に向けて本格的な作業に入る。
FFGは親和銀行(長崎県佐世保市)を傘下にもつ。公取委は、長崎県内でシェア1位の十八銀行と2位の親和銀行が統合すれば、競争が事実上制限され、金利が高めに維持されるなど利用者にとって不利益が生じかねないことを問題視してきた。
このため、FFGと十八銀行は債権譲渡の準備を進めてきた。融資先の企業に、ほかの金融機関に借り換えしてもらう手法だ。一定額の実現にメドがたち、統合後も県内の健全な競争環境は保たれると公取委は判断したとみられる。
FFGと十八銀行は16年6月、公取委に対し統合を申請。17年4月の統合を予定していたが、公取委の懸念を解消する案を示せず、統合時期を2度延期していた。
全国の地銀は、経営環境の悪化…