配車サービス最大手の米ウーバー・テクノロジーズは30日、電動垂直離着陸機(eVTOL)による「空飛ぶタクシー」事業の説明会を東京都内で開いた。省庁関係者やアジア各国の企業関係者ら約150人が参加し、専門家の話に耳を傾けた。同社は日本での事業の早期立ち上げの可能性を示した。
同社のバーニー・ハーフォード最高執行責任者(COO)は、新宿―横浜スタジアムの約30キロ間を例に挙げ、「車では1時間半超かかる」が、eVTOLを使えば10分間だとして有効性を強調した。
スマートフォンのアプリを使い、10~100キロの距離を最高時速300キロで飛ぶeVTOLを呼ぶ安価な交通サービスの構想を示し、「ウーバーはもはや単に車だけではない。我々は世界規模の都市交通プラットフォームだ」と述べた。
基調講演した小池百合子・東京都知事は「ウーバー社は『空飛ぶクルマ』と呼ばれるeVTOLによるテストフライトを行う計画があると承知している。この空を『空飛ぶクルマ』が横切る光景がすぐに実現すると思うとわくわくする。人々を奮い立たせる新構想が都市交通の未来を切り開くことを真に楽しみにしている」と話した。
ウーバーは、機体開発はメーカーにゆだねつつ、2020年の試験飛行、23年の運行開始を目標に「空飛ぶタクシー」事業をすすめている。(松尾一郎)