決算の説明をしたのは、社長ではなく、バーチャルユーチューバー――。ゲーム大手のグリーは2日の2018年6月期決算の発表で、架空のキャラクターであるバーチャルユーチューバーを使って決算説明をした。
「売上高779億円、営業利益94億円、前年比で増収増益となっております」。会見冒頭、スクリーンに映し出された3DCGキャラクターの「いそら真実(まなみ)」が登場した。同社の子会社が開発したバーチャルユーチューバーだ。女性のキャラは田中良和社長に直接許可を得た上で、身ぶり手ぶりを交えながら、決算概要を説明した。
バーチャルユーチューバーは、「ブイチューバー」とも呼ばれ、ネット上で人気が高まっている。VR関連機材を使うことで、人の動きを3DCGキャラクターに反映することができる仕組みだ。グリーはバーチャルユーチューバーを中心とした事業に今後1、2年で100億円規模の投資をすると4月に発表している。
女性のキャラクターは、概要説明後に報道陣向けにポーズをとり、写真撮影。その後、経営陣にバトンタッチした。田中社長は「上場して10年ほどだが、初めて自分でサマリー(要約)を読まなかった」と話した。(篠健一郎)