イスラエルを初めて公式訪問しているフィリピンのドゥテルテ大統領は3日、ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺の記録を収めた「ホロコースト記念館」を訪れて献花し、ロイター通信によると、同氏は「2度と起こしてはならない」との決意を示したという。
「麻薬犯罪者は殺してもいい」と公言するドゥテルテ氏は2016年9月の演説で、ナチス・ドイツを率いた独裁者ヒトラーのユダヤ人大虐殺を引き合いに出し、「麻薬中毒者を私も喜んで殺したい」と発言。ユダヤ人社会などから厳しく批判され、謝罪に追い込まれた経緯がある。
ドゥテルテ氏は記念館訪問に先立ち、エルサレムでネタニヤフ首相と会談。ネタニヤフ氏が「ここ数年、友情が発展している」と述べると、ドゥテルテ氏は「重要な支援に感謝する」と応じ、緊密な関係を確認した。
両首脳は、イスラエルに2万人以上いるフィリピン人の介護労働者らの支援や科学・経済協力を強化することで合意した。イスラム過激派の課題を抱えるフィリピン側は、イスラエルの軍事技術に関心を持っているとも報じられている。(エルサレム=渡辺丘)