プロ野球広島の新井貴浩内野手(41)が5日、今季限りでの現役引退を表明した。広島市南区のマツダスタジアムで記者会見を開き、「若手がすごく力をつけてきている。これから2年、3年、5年後のカープを考えたときに今年がいいんじゃないかなと考えました」と語った。チームは優勝に向けたマジックを12としており、球団史上初の3連覇に突き進んでいる。
広島県出身の新井内野手は広島工高、駒沢大を経て1998年のドラフト6位で広島に入団。2005年には43本塁打を放って本塁打王に輝いた。フリーエージェント宣言して08年から阪神へ移籍。11年に93打点を挙げて打点王に。自由契約となり、15年に広島に復帰した。16年には通算2千安打を達成。25年ぶりのリーグ優勝に導き、リーグMVPも受賞した。
今季は左ふくらはぎ痛で開幕前に離脱。5月に復帰し、今月4日までの出場は49試合で22安打。通算は2200安打。昨季と今季は代打での出場が増えていたが、精神的支柱としてチームに欠かせない存在だった。(藤田絢子)
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広島の新井貴浩選手の引退表明を受けて、日本プロ野球選手会の森忠仁事務局長の話は次の通り
「長い間、お疲れ様でした。選手会でも会長として尽力していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。引退後も力を借りることがあると思うので、その時はまた協力していただきたい」
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広島の新井貴浩選手の引退表明を受けて、ヤクルトの青木宣親の話は次の通り
「腰の骨を折っても、痛みを我慢しながら北京五輪では試合に出ていた。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でも一緒。人柄がすごく良くて、先輩なのに物腰が柔らかい。新井さんの信念を貫いてプレーしていた」
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広島の新井貴浩選手の引退表明を受け、昨季まで広島で打撃コーチを務めたヤクルトの石井琢朗打撃コーチの話は次の通り
「コーチとして関わったけど寂しい。兄貴分として、(2016年の)優勝は黒田とともに、新井がいたからこそ、できたと思っている。血の気の多い若い選手を裏でうまくまとめてくれた。感謝の気持ちしかない。阪神で酸いも甘いも経験したあと、広島に戻ってきて、外で経験したことをすごく生かしてくれた。人柄から他の場所でも活躍できるけど、今後も野球界に貢献して欲しい。技術どうのこうのではなく、気持ちで打つ打者だった。とにかく、お疲れさまでした」
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広島の新井貴浩選手の引退表明を受けて、弟の新井良太・阪神ファーム育成コーチの話は次の通り
「20年間本当にお疲れさまでした。プロ野球界の先輩として、兄として、尊敬していますし、誇りに思います。残り少ないシーズンですが、最後まで全力で駆け抜けてほしいです」