独アウディは5日、全面改良した上級セダン「A8」を10月15日に日本で発売すると発表した。ドライバーがハンドルを握らなくても自動で運転してくれる最新機能を搭載するはずだったが、法整備が進んでいないため見送られた。
この機能は自動運転を五つの段階に分けたときの「レベル3」にあたる。中央分離帯のある混雑時の高速道路を時速60キロ以下で走る場合という条件がつくものの、アウディが昨年7月に世界初の「レベル3」の車として発表し、18年に実用化するとして話題になった。
だが、国際的な法規制が整っておらず、今もレベル3の車は発売されていない。日本でも道路交通法で、ドライバーがハンドルから手を離して車に運転を任せることは原則禁じられている。将来、法律が整備されて走れるようになっても、今回売り出すA8ではレベル3の走行はできない。
アウディ日本法人のフィリップ・ノアック社長は「法整備は国際的に議論が進んでおり、早くレベル3を実現したい」と述べた。
3リットルと4リットルのガソリンエンジンがあり、それぞれモーター機能を兼ねる発電機がエンジン駆動を補う「マイルドハイブリッド」システムを組み合わせた。消費税込み1140万円から。(木村聡史)