トヨタ自動車は、通信機器を載せた「コネクテッドカー(つながる車)」を、道路状況の点検に活用する新しい取り組みを始める。車から集めた路面データを自治体に提供し、公道の保守管理にいかしてもらう。トヨタによると全国で初めての取り組みといい、2019年度の実用化をめざす。
8月から愛知県豊田市と協力して実証実験を開始。対象となるのは同市役所を中心とした10キロ四方ほどの範囲にある市道。トヨタ車が実際にここを走行した際のデータを集め、路面のでこぼこ具合などを算出するという。
豊田市は算出結果を保守作業にいかすほか、実際に計測した路面についての情報をトヨタ側に提供する。トヨタは結果と照らし合わせることで、分析精度の向上をはかる。
路面の保守点検は通常、自治体が専用車両を走らせたり、職員が目視でのパトロールをしたりして行われている。街を走っている一般の車から集めたデータを使えれば、道路を効率的に修繕できるようになる。
トヨタは高級車「レクサス」など一部車種を、通信機器を搭載したコネクテッドカーとして市販。20年には、日米で販売するほぼすべての乗用車にまで広げる目標を掲げている。自治体による道路点検作業などに活用してもらうことで、普及を促したい考えだ。すでに、災害発生時に安全に通れる道路の情報をインターネット上で公開する取り組みを始めている。(初見翔)
「つながる」クラウン 1カ月で3万台受注
トヨタ自動車は26日、6月に売り出した新型クラウンの発売後1カ月間の受注台数が、約3万台だったと発表した。2012年発売の先代(約2万5千台)を上回るペースだという。
新型は専用通信機を標準搭載し、インターネット経由でさまざまなサービスを提供する「コネクテッドカー」(つながる車)。対話アプリのLINEを使ってカーナビの目的地登録ができるサービスなどが好評だという。月間の販売目標は4500台。