ホンダは1日、小型バイク「スーパーカブ」の発売60周年の記念イベントを東京・青山の本社で開き、赤を基調とした60周年記念モデルを初めてお披露目した。
記念モデルは排気量50ccと110ccの2種類で、車体の側面に記念のエンブレムを施した。価格は消費税込み24万3千円からで、10月末まで注文を受け付ける。ホンダは2300台の販売を見込んでいる。
赤色は、1963(昭和38)年に米国で展開した広告に描かれたイラストの色をモチーフとした。日常の暮らしに密着した手軽な乗り物としてアピールし、ヒットを呼んだ。「60歳の還暦を祝って羽織る赤いちゃんちゃんことは関係ない」(広報)という。
スーパーカブは1958年に発売。ホンダ創業者の本田宗一郎氏が開発の指揮をとったことで知られる。耐久性や乗りやすさが評価され、今では160以上の国と地域に販売網を広げ、6月末時点で1億200万台が売れた。
基本設計を変えていない車種としては、四輪を含めて世界最多を更新中。東南アジアで特に人気で、ベトナムではバイクの総称として「ホンダ」の名前が日常的に使われているほどだ。
ホンダ本社1階の展示スペースでは、スーパーカブの初代モデルや60周年記念モデルが、同じく60周年を迎えたほかの商品とともに24日まで公開されている(11~19日は休館)。文具販売マルマンの図案スケッチブックや日清食品のチキンラーメン、エポック社の野球盤などがある。(木村聡史)