中国で宗教団体に対する政府の締め付けが強まっている。中国伝統武術・少林カンフーの発祥地、河南省の嵩山少林寺は8月、長い歴史の中で初めて中国国旗を境内に掲揚。政府非公認のキリスト教教会では強制的な閉鎖も相次いでいる。
少林寺の公式ホームページ(HP)によると国旗掲揚式は8月27日に開催。当日は地元の共産党幹部や市当局者も参加した。少林寺1500年の歴史の中で国旗を掲揚したのは初めてといい、ネット上では「仏門にふさわしくない」「党支部ができるのか?」といった戸惑いの声も上がった。
国旗掲揚の背景には、今年2月に施行された「改正宗教事務条例」があるとみられている。中国の習近平(シーチンピン)指導部は、宗教活動が共産党の統治の正統性を脅かし、国家の安全に脅威を与えかねないとして、規制を強化している。条例では新たに、宗教団体や信徒に「社会主義核心価値観の実践」と法律の順守を求める内容が盛り込まれた。
条例を受け、政府公認の宗教団…