千葉県松戸市の教会で2012年10月に火災が起きたのはエアコンの室外機の欠陥が原因だとして、牧師らが空調大手のダイキン工業(本社・大阪市)に損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、東京地裁であった。田中一彦裁判長は教会側の訴えを認め、同社が約496万円を支払うよう命じた。
訴訟を起こしていたのは、日本基督教団新松戸教会の牧師ら。火災では教会兼住宅の2階部分(約73平方メートル)が焼け、2階ベランダに設置されていた室外機が激しく焼損していた。判決は「発火源となった可能性を示す」と認定したうえで、室外機設置から1年10カ月しか経っていないことや、誤った使い方をしていないことを踏まえ、「室外機の欠陥が推認でき、ダイキン側が責任を負うべきだ」と判断した。
判決後に記者会見した原告側代理人の中村雅人弁護士によると、同種の訴訟で賠償が認められるのは珍しい。「通常の使い方で異常が出た時はメーカーに責任があるという、製造物責任法の原則に立った意味のある判決だ」と評価した。原告の津村友昭さん(77)は「火災で失われた教会の信用をこれからコツコツと回復していきたい」と話した。
ダイキン工業は「判決文を入手していないので、現段階でコメントできない」としている。(北沢拓也)