神戸市がいま、かつて全国的に問題となった労働組合役員の「ヤミ専従」で揺れている。労組役員は組合活動をしながら市から給与を受け、市も職場を離れる前提で所属部署に定数より多く職員を配置していた。1995年の阪神・淡路大震災からの復興で財政が悪化し、労使一体で行財政改革を進める必要があったことが一因という。
神戸市職労トップが「ヤミ専従」か 複数の役員にも疑い
市のヤミ専従問題は今夏、インターネットへの投稿を見た久元喜造(きぞう)市長らが協議し、第三者委員会での調査を決定。9月18日の初会合で、久元市長はヤミ専従を「亡霊」と表現し、実態解明を強く求めた。総務省が2008年度当時、社会保険庁でのヤミ専従問題を受け、全国の自治体に調査を求めた際、市は「存在しない」と答えていた。
市によると、実際は市職員労組(約8千人)と市従業員労組(約2500人)の役員のヤミ専従が長年続いていた疑いがある。市職労の現委員長も今年4月に農政部に異動後、平日午前は職場で働き、午後はほぼ組合活動に従事。職場離脱の事前申請を月に数回出すだけで通常の給与を受け取っていた。
異動の際、市職員部は農政部側に「午後は組合活動に従事する。事前申請はできる範囲でするように」と伝えていた。定員より1人多く職員を配置し、他の労組役員が配属された部署も同様という。
市は過去30年間、組合活動への専従休職も、両組合の役員計12人に地方公務員法の上限の7年(1997年3月までは5年)を超えて許可。最長は19年11カ月に及んだという。
市条例では、退職金の算定時は…