17日からマツダスタジアムで始まるプロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)最終ステージ(S)で「兄弟対決」が実現する。第1Sを勝ち上がった巨人の田中俊太(25)とリーグ3連覇の広島・田中広輔(29)両内野手。ともに、先発出場が濃厚だ。
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日立製作所から昨秋のドラフト5位で巨人に入団した田中俊は、レギュラーシーズン最終盤の9月28日から「2番・二塁」に定着した。第1Sの2試合で2盗塁を決めたほか、バントやヒットエンドランも得意。坂本勇と中軸をつなぐ役割として機能している。
開幕1軍をつかんだが、同じポジションに2年目の吉川尚がいたこともあり、当初は控え。だが7月末に吉川尚が一塁に頭から滑り込んだ際に左手を痛め、チャンスが増えた。「広島・田中の弟」と呼ばれることについて「いつか、それを言われなくなる選手になりたい」と誓う。兄弟対決について「結果として見ればそうなるけど、敵チーム」と特別な意識はない。
その兄は、広島の中心選手として確かな立場を築いた。JR東日本から2013年のドラフト3位で広島入り。16年から遊撃で3年連続フル出場を続け、同年のCSではMVPに輝いた。今季は打撃不振で一時は下位へとさがることもあったが、優勝目前の9月21日からは1番に返り咲き、状態は上がってきている。
兄弟対決について兄は「幸せなこと。弟の入団1年目にCSで出来るとは思っていなかった。出させてもらっているのは、彼の実力だと思う。僕も一生懸命頑張る」と話した。
過去の兄弟対決では、12年パ・リーグ最終Sで当時日本ハムの外野手・陽岱鋼が、ソフトバンクに在籍していた兄の投手・陽耀勲(ヤンヤオシュン)と投打に分かれて対決した例がある。13年セ・リーグ第1Sの阪神―広島戦では上本博紀(神)、崇司(広)兄弟がベンチ入りした。(井上翔太、藤田絢子)