(7日、プロ野球 中日7-1ヤクルト)
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「今年一番のバッティングが出来ました」。ナゴヤドームのお立ち台で中日の堂上の声が弾んだ。試合の流れを一気に引き寄せた7号3ラン。チームの連敗を4で止めた一発に端正な顔がほころんだ。
一回だ。ビシエドの2点適時二塁打で逆転し、なお1死一、三塁の好機。「まずは走者をかえそうという気持ちだった」。カウント1―1からヤクルト高梨が投じた3球目。「狙っていた」という146キロの直球を強振した。打球はバックスクリーン左で弾んだ。
シーズン自己最多となる7本塁打目。そのうち、実に4本が高梨から放ったものだ。「相性? たまたまですよ」。謙遜するが、今季のヤクルト戦では石川からも1本塁打を放っていて、計5本塁打で9打点。まさに「お得意さま」と言っていい。
プロ13年目の30歳。バットを寝かし気味に構える打撃フォームに改造し、今季は初の開幕スタメンを勝ち取ったが、二塁の定位置獲得には至っていない。最近は代打や守備固めでの起用も多い。調整は難しいが、「練習メニューも自分で決めて、納得のいく準備が出来ている」と話す。この日は3試合ぶりのスタメン起用で結果を出した。
与田監督は「甘い球を一振りで決めた」と絶賛。「チーム内で競争してもらい、いい結果を残して欲しい」と期待する。6季連続のBクラスからの脱却を目指すチームにベテランの奮起は欠かせない。(鷹見正之)