巨額の脱税が発覚した中国の人気俳優ファン・ビンビン(范冰冰)さんが出演した映画の公開が中止される見通しとなった。監督が17日、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」で明らかにした。ファンさんは、罰金や追徴課税などの8億8千万元(約143億円)を支払って復帰をめざす考えだが、中国の芸能界を揺るがした騒動は収まっていない。
ファン・ビンビンさん、146億円納付に「全力尽くす」
この映画は、旧日本軍の重慶爆撃をテーマにした「大爆撃」。8年がかりで制作された大作で、米国の有名俳優ブルース・ウィリスさんとの共演も話題を集めた。しかし、ファンさんの消息が6月以降、途絶えると、映画の公開が今月26日に延期されていた。
蕭鋒監督は微博で「8年間育てた子供がただ可哀想だ」と無念さをにじませた。ファンさんは大爆撃の出演料として、3千万元(約4億9千万円)を受けとったが、1千万元(約1億6千万円)しか申告せず、730万元(約1億2千万円)を脱税したと指摘された。
一方、中国メディアは15日、北京空港で撮影したという帽子姿のファンさんの写真を伝えた。ファンさんが公の場に姿を現したのは約4カ月ぶりだという。(広州=益満雄一郎)