「銃のない世界を」。留学先の米国で銃撃されて死亡した、名古屋市の高校2年服部剛丈(よしひろ)さん(当時16)の母美恵子さん(70)が、そんな思いを込めた童話を執筆中だ。剛丈さんが銃の犠牲となって、10月18日で26年。事件後に生まれた世代にも語り継ぎたいという。
今年2月、フロリダ州のマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で起きた銃乱射事件で、17人が死亡した。童話は犠牲者の一人であるアリッサ・アルハデフさんと、剛丈さんが主人公。題名の案は「アリッサとヨシ」だ。
物語はアリッサが天国に召された場面から始まる。自分の死を受け入れられないアリッサに、ヨシ(剛丈さん)が声をかける。アリッサは日本では銃が身近ではないことを知り、銃なき世界の実現をめざす……。
美恵子さんが童話を書こうと思ったきっかけは、今夏、アリッサさんと同学年の友人で母親が日本人のエンゲルバート美愛(ミア)さんと日本で出会ったことだ。「アリッサさんの声になりたい」という美愛さんの言葉に背中を押された。剛丈さんのために銃規制運動に取り組む自分の姿と重なったという。
「亡くなった人は、それで終わりではないんです」
童話は来年2月までに完成させ…