(18日、セ・リーグCS最終ステージ第2戦 広島4―1巨人)
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二塁ベース上で両腕を突き上げ、全身で喜びを表した。広島に敗戦ムードが漂い始めた本拠の雰囲気を一変させたのは新井の一振りだった。
「たくさんの声援を頂いたので、気持ちはMAXで(打席に)入った」。興奮気味に振り返ったのは1点を追う八回だ。2死一塁で代打を告げられた。カウント1ボール、2ストライクと追い込まれたところで、一塁走者の上本が二盗に成功。この試合で初めて得点圏に走者が進んだ。
「あれでもう一回、グッと気持ちを高めた」。6球目。128キロのフォークボールに食らいついた。左翼線を破る適時二塁打で同点に。押せ押せムードとなった2死一、二塁で菊池が左中間に3ランを放ち、試合をひっくり返した。
9月5日に今季限りでの引退を表明した。41歳の兄貴分の決断に、松山は「還暦までやるって言っていたのに」と話し、鈴木も「1日でも長く一緒にプレーしたい」と誓った。
新井を「お兄ちゃん」と慕う菊池は「お兄ちゃんが打ったので弟も打たないと」。ベンチを飛び出して、弟分の決勝3ランに喜びを爆発させた新井に抱きしめられ、「本当に恋人のように抱きしめられました」。
2連勝で2年ぶりの日本シリーズに王手をかけた。新井は「余計なことを考えず、家族一丸で頑張りたい」。中心には間違いなく、20年目のベテランがいる。(鷹見正之)
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○緒方監督(広) 「厳しい状況から、チームの底力みたいなものを大舞台でも出してくれた。一つの勝ち負けで流れは変わる。明日も全力でいく」
○菊池(広) 八回、新井の同点二塁打の後、勝ち越しの3ラン。新井に弟のようにかわいがられており、「お兄ちゃん(新井)が打ったので、弟(自分)も打たないとというプレッシャーがありました」。「シーズンは(打撃で)苦しんだ。CSまでにしっかり練習して見つめ直し、自信が戻ってきた」
○ジョンソン(広) 8回を被安打2、1失点の力投で逆転を呼び込む。「思うような投球が出来た。最後の最後にすごい試合だった」
○上本(広) 八回2死一塁。代走で二盗を決め、新井の二塁打で生還。「これと守備が仕事なんで。新井さんに『ナイス走塁』って言ってもらった」
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●高橋監督(巨) 「田口は今シーズンで一番いいぐらい。頑張ってくれた。少ないチャンスでマギーが打ってくれたけど、1点では厳しい」
●岡本(巨) 4打数無安打で、いまだCSはノーヒット。「チャンスで(走者を)かえせるように。アウトになったら意味がない。頑張ります」
●マギー(巨) 六回に適時二塁打を放ち、3試合連続で打点をマーク。「いい攻撃はできている。あまり悲観的にならず、前向きになることが大事」
●畠(巨) 2イニング目の八回に四球から崩れ、4失点。「特に何もないです。抑えられなかったことが、申し訳ない。それだけです」