文部科学省の局長らが、出向中に病死した職員の遺族への寄付金のとりまとめを国立大学に依頼していた問題で、柴山昌彦文科相は7日、同様の事例が過去にもあったとして、「今後はやめさせる」と述べた。
柴山文科相によると、これまでも文科省の幹部名を使い、国立大などの関係機関に寄付金を募る慣行があったという。件数などの詳細は明らかにしなかった。
「国立大学に対して(文科省は)一定の影響力がある」とした上で、「(依頼文書を)全国立大に一斉送信すれば、組織として対応を求められていると誤解を与える可能性がある」「権限関係を利用したかのような寄付集めは妥当性を欠く」として、今後はこうした依頼をやめさせる方針だという。
同省では今年8月、大学教育を所管する高等教育局長など、OBを含めた幹部ら20人が「発起人」となり、病死した職員の遺族向けの寄付金を国立大などに依頼して200万円超を集めていたことが、朝日新聞の報道でわかった。この幹部らは、依頼文書が大学に送られることは「承知していなかった」と説明しているという。(小宮山亮磨)