全日空子会社のANAウイングスのパイロットが乗務前の飲酒で体調不良になり、フライトに遅れが出た問題で、全日空は16日、再発防止策として系列3社のパイロット3千人に対し、持ち運びができるアルコール検知器を貸与すると発表した。
乗務交代の機長、諭旨退職処分 前夜飲酒で航空便遅延
車で出勤してるなら…飲酒検査、航空会社の緩い危機意識
アルコール検知器、航空8社が使わず 国内25社調査
10月25日にANAウイングスの機長が前夜の飲酒が原因で乗務できず、5便に遅れが出るトラブルがあり、国交省が全日空に調査と再発防止を指示。同社は16日、再発防止策を含む調査報告書を国交省に提出した。貸与するのはストローで息を吹き込まないと作動しない「精密型」の検知器で、12月から貸し出しをしていくという。
全日空の平子裕志社長はこの日の会見で「今回の事象を重く受け止め、全社をあげて安全運航に取り組んでいきたい」と述べた。過去5年で、パイロットが乗務前のアルコール検査に引っかかった事案が8件あったことも明らかにした。アルコール検査で不正がしにくいよう、国内外の全空港に精密型の検知器を配備することも合わせて決めた。