中国の習近平(シーチンピン)国家主席と米国のペンス副大統領が17日午前、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議を前に、開催地のパプアニューギニアの首都ポートモレスビーで相次いで演説した。習主席は「我々は保護主義や一国主義に反対し、多国間貿易体制を守る」と訴え、貿易をめぐって対立する米国を牽制(けんせい)。ペンス氏は中国を念頭に、「独裁主義と侵略はインド太平洋に居場所はない」と述べ、激しい応酬を繰り広げた。
特集:米中通商摩擦
中国への追加関税第4弾、米中会談後に表明も 米報道
両氏は、APEC地域の企業経営者らが参加した関連行事「APEC・CEOサミット」で演説した。
習氏は「米国ファースト」を掲げるトランプ米政権を念頭に、「保護主義や単独主義は世界経済の成長に影を落とす。人類は協力か対抗か、開放か閉鎖かの十字路に立っている」と語った。
さらに、「歴史は開放や協力こそが発展の機会を与えることを証明している」と指摘。自ら推し進めるシルクロード経済圏構想(一帯一路)について、「これこそが開放のプラットフォームであり、世界経済を牽引(けんいん)するものだ。我々は誰も排除しない」と訴えた。来年4月に、2回目となる「一帯一路国際協力サミットフォーラム」を開くことも打ち出した。
ペンス米副大統領は習氏に続き、APECを欠席するトランプ米大統領に代わって政権を代表して演説。「米国のこの地域への関与はかつてなく強いものだ」と述べ、アジア太平洋地域での各国のインフラ整備のため、600億ドル(約6兆8千億円)を支援する考えを表明した。
一方、ペンス氏は中国との貿易…