バラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」が海外で番組のために作られた催しを地元の祭りとして紹介していた問題で、日本テレビは大久保好男社長が会見で「疑念を生じさせた」と謝罪したが、「やらせ」があったのかどうかについては明言を避けている。調査中を理由に判断を保留しているとの見方もあるが、他局からは「看板番組の打ち切りを避けるために仕方なかったのでは」との声も上がる。
イッテQ、日テレ社長が謝罪 祭り企画を休止・調査へ
「やらせ」と「演出」の境界は 疑惑のイッテQに識者は
日テレはこれまでの説明で、海外の祭りに芸人が参加する人気シリーズの「祭り企画」で、「番組の意向でコーディネート会社が主催者に提案したり、実質的な主催者となってイベントとして開催したケースがあった」ことを認めている。このため、番組用に「祭り」が開かれたことはやらせに当たるのではないか、と15日の記者会見では記者から質問が出た。大久保社長は「指摘があるのは承知している。批判については真摯(しんし)に受け止めたい」と答えるにとどまった。「制作陣に(やらせの)意図はなかった」ことも強調した。
だが、バラエティー番組を作る制作会社の関係者は「無かった祭りをあるかのように視聴者に印象づけるような演出は、私の感覚ではやらせだ。自分だったらできない」と話す。日テレの社内からも「番組の意向でやっていたならアウトだろう」との声が上がる。
それでも大久保社長が会見でやらせかどうか明言しなかったのはなぜか。他の在京民放キー局の幹部はこう推測する。「『やらせ』はテレビにとっていちばん嫌な言葉で、ダメージが大きい。なんとかそれを避けて『やりすぎだった』というレトリックで収めなければならない。番組を終わらせたくないのだろう」
■社長「制作陣は…