北朝鮮は20日午後、朝鮮半島の軍事境界線近くの非武装地帯に設置した北朝鮮軍哨戒所10カ所を爆破した。韓国国防省が同日、発表した。韓国と北朝鮮は9月の南北軍事分野合意で、双方の哨戒所11カ所ずつを試験的に撤去することで合意。将来の観光用などに残す各1カ所を除いた各10カ所を11月中に撤去し、年内に検証作業を終える。
韓国国防省によれば、東西248キロ、南北4キロにわたる非武装地帯内に、韓国側が約60カ所、北朝鮮側が約160カ所の哨戒所を設置。相手軍の侵攻などに備えた警戒任務にあたってきた。
韓国政府は、哨戒所の撤去を朝鮮半島での平和定着の象徴の一つとしたい考え。韓国の軍事専門家の間では、哨戒所撤去によって北朝鮮軍に対する抑止力が低下するという懸念の声も上がっている。(ソウル=牧野愛博)