長崎市出身の歌手、福山雅治さんが「被爆クスノキ」を治療するために呼びかけている募金が、市の被爆樹木の保存に使われる見込みとなった。市は11月定例会に「クスノキ基金」の設置議案を提出。可決されれば、福山さんの呼びかけで集まった約450万円も、この基金に積み立てられる。
福山さんは2014年、被爆クスノキをモチーフにした楽曲「クスノキ」を発表。ファンから「クスノキの支援をできないか」という声が多く寄せられたことを受け、「クスノキ募金」を設置。コンサート会場やホームページなどで協力を呼びかけてきた。
市被爆継承課によると、基金は、痕跡が強く残る被爆樹木の所有者が自己負担している分の保存整備費に充てる方針。田上富久市長は「被爆体験の継承が大事になるなか、被爆樹木を守る仕組みができるきっかけをつくってくれた」と話した。
福山さんのオフィシャルサイトには「平和と再生、生命の逞しさの象徴である『被爆クスノキ』を始め、『被爆樹木』の存続のために、少しでもお役に立てればと考えておりますので、今後とも『クスノキ募金』へのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます」とのコメントが掲載されている。(田中瞳子)