核兵器廃絶への願いを世界に伝える「高校生平和大使」を題材にしたミュージカルが今夏、東京で上演される。主演を務めるアイドルグループ「AKB48」の元メンバー、岩田華怜(かれん)さん(21)がこのほど長崎を訪れた。1998年に長崎で始まった平和大使とは「同級生」。東日本大震災を経験した仙台市出身の岩田さんが、長崎で学び、感じたこととは――。(森本類)
特集:核といのちを考える
「署名を集めています。ご協力をお願いします」
13日、岩田さんは現役の高校生平和大使らと一緒にJR長崎駅前に立ち、核廃絶を求めるための署名を呼びかけた。道行く人に声をかけ続けること30分。
「みんな堂々としていてすごい。この行動は絶対に未来につながっていく。全国に平和大使の活動が広がってほしい」
翌日には、被爆者の山川剛さん(82)からマンツーマンで原爆の歴史を学んだ。マンハッタン計画など原爆開発の経緯から、世界に1万4千発近くの核弾頭が残るとされる現状まで、話題は多岐にわたった。
岩田さんは、原爆の投下目標が雲や空襲の煙による視界不良で小倉から長崎に変更されたと聞くと、「はー」と考え込むような様子をみせた。「そんな理由だったのかと、衝撃でした」
「えー!」と驚きの声を上げた…