約20年ぶりの修復作業を終えた長崎市の平和祈念像が9日、報道陣に公開された。風雨やハトのフン、紫外線の影響で劣化した表面を塗り直した。像を囲う足場は12日にも撤去される。
平和祈念像は、原爆の犠牲者の鎮魂と核兵器廃絶に向けたシンボルとして、長崎県南島原市出身の彫刻家、北村西望氏(1884~1987)が手がけた。原爆投下から10年後の1955年8月に完成。高さ9・7メートルの青銅製の男性座像は、天を指す右手で原爆の脅威を、水平に伸ばした左手で平和を表している。
修復は99~2000年以来。被爆75年の節目を迎える2020年を前に、長崎市が今年1月から塗り直しを進めていた。市の担当者は「おっ、きれいになったなと感じました」と仕上がりに胸を張った。(森本類)