今秋、立て続けに襲来した台風21号と24号で、東海地方では大規模停電が相次いだ。山間部では復旧に1週間近くかかった地域もあったが、原因の一つは山あいならではの事情だった。中部電力は26日、停電復旧の改善策を発表した。
9月初旬に東海地方に最接近した台風21号では、中部電管内の愛知、三重、岐阜、静岡、長野の5県で延べ約84万戸が停電した。岐阜県高山市や郡上市など山間部を中心に完全復旧までに6日半かかった。
9月末に列島を縦断した台風24号でも、中部電管内は平成に入って最大規模となる延べ119万戸が停電、愛知県新城市では復旧までに5日かかった。同市内では信号機が消えたほか、水道用の水をくみ上げるポンプが止まり、約1700戸で断水するなど生活を直撃した。
勝野哲社長は10月26日の定例記者会見で、今回の大規模停電の要因の一つとして、山間部での倒木被害が広範囲にわたったと説明した。台風の進路予想に基づいて事前に復旧要員を配置するなど「復旧体制を見直す」とも述べた。
中部電によると、それでも早期復旧は容易ではないという。電線や電柱が倒木被害で停電した場合、各地の営業所の社員らが被害現場を特定するために停電地域へ向かうことになっている。ただ、山間部では土砂崩れや倒木で、簡単に現場に到着できないこともある。設備の復旧まで含めると、かなりの時間を要することになるとしている。
■岐阜県では事前…