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急増する金密輸、財務省が対策 取引での本人確認徹底

急増する金の密輸問題を受け、財務省は、金の買い取り業者にどの業者と取引したかを確認できる書類の保存を事実上義務づける対策案をまとめた。密輸業者が金を国内で売りにくくするとともに、流通ルートの特定にもつなげたい考えだ。与党の税制調査会で議論し、来年度の与党税制改正大綱に盛り込む方針。


金を輸入する場合、本来は税関に申告し、消費税を納める必要がある。しかし、密輸業者は、消費税がない香港などで買った金を税関に申告しないまま密輸し、買い取り業者に消費税込みの値段で売って利益を上げている。


そこで事業者が消費税を納める際、仕入れにかかった消費税分を差し引く「仕入れ税額控除」の適用条件を厳格化。金の取引の場合、消費税込みで仕入れたことが分かる帳簿に加え、仕入れ先が個人の場合は免許証やパスポート、法人の場合は登記事項証明書などのコピーの保存を求める。密輸した金と知ったうえで仕入れた場合は、控除を認めないことにする。


金の密輸は、14年の消費増税後に急増。今年6月までの1年間で前年比1・5倍の720件、消費税の脱税額は同1・7倍の約15億円と、いずれも過去最高に上る。来年10月に消費税率が10%に上がれば、密輸で得られる利益が増えるため、さらに密輸が拡大する可能性があり、対策の強化が必要と判断した。(笠井哲也)


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