油圧機器大手「KYB」(東京)による免震・制振用オイルダンパーの検査データ改ざん問題で、同社は30日、国土交通省の基準などに適合しない装置が使われた疑いのある物件10件を新たに公表した。これで公表物件は計123件になったが、いまだ全体の964件中13%にとどまる。
KYBによると、いずれも免震ダンパーで、国交省の基準に適合しない物件が3件、顧客の性能基準に合わない物件が1件、不適合品の使用の有無が不明な物件が6件だった。顧客の基準に合わない物件には、伊方発電所総合事務所(愛媛県伊方町)、有無が不明な物件には、日本原子力研究開発機構の本部安全管理棟(茨城県東海村)と、同機構の原子力科学研究所安全研究棟(同)が含まれていた。
KYBは15日、不適切な改ざん行為が新たに見つかった疑いがあると発表したが、30日に公表した物件には含まれていないという。
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KYBが30日に公表した物件名は以下の通り(施設の表記はKYBの発表に基づく)
国交省の基準に合わない
・台東区立台東病院・老人保健施設千束(東京都台東区)
・三浦市立病院(神奈川県三浦市)
・長岡市シティホールプラザアオーレ長岡(新潟県長岡市)
顧客が求める性能基準に合わない
・伊方発電所総合事務所(愛媛県伊方町)
不適合品使用の有無が不明
・いわき市立総合磐城共立病院新病院(福島県いわき市)
・日本原子力研究開発機構・本部安全管理棟(茨城県東海村)
・日本原子力研究開発機構・原子力科学研究所安全研究棟(同)
・砺波市立砺波総合病院南棟(富山県砺波市)
・北名古屋市役所西庁舎(愛知県北名古屋市)
・あま市民病院(愛知県あま市)