テレビの高画質化の到達点とされる超高精細な映像が特徴の「4K8K衛星放送」が1日、始まった。8K放送の実現は世界で初めて。より鮮明に、より美しくと進化してきたテレビの歴史で、2003年の地上デジタル放送開始以来の節目となる。
午前10時、NHKや民放がBSとCSに新設した17の専門チャンネルで放送がスタートした。東京都内のホテルで開かれたセレモニーでは、石田真敏総務相が「鮮やかで立体感、臨場感あふれる映像による、これまでとは全く別の次元の視聴体験が始まる。これだけの規模で4K8Kの実用放送がおこなわれるのは世界初のこと」などとあいさつ。4K8K推進キャラクターで俳優の深田恭子さんらが放送開始のボタンを押すと、会場の4Kや8Kモニターに一斉に映像が映し出された。NHKの4Kと8Kのチャンネルでは南極からの生中継を交えた開局特番を放送した。
地上波で現在流れている2K映像が約200万画素なのに対し、4Kは約800万画素、8Kは約3300万画素を誇る。すべてのチャンネルを視聴するためには専用のテレビやチューナー、アンテナなどが必要だ。業界団体の調査では、11月の時点で4Kテレビを持っている人は約6%。2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、政府は総世帯の50%で視聴可能にする目標を掲げている。(鈴木友里子)