プロ野球・楽天の先発右腕、古川侑利(ゆうり)投手(23)が7日、仙台市内で契約更改交渉に臨み、850万円増の1600万円でサインした。記者会見では、その左腕に、きらりと光る高級腕時計「ウブロ」が。大幅増を見越して買ったわけではなく、ちょっと気の早い「サンタクロース」からの贈り物だった。
古川は佐賀・有田工高で夏の甲子園に出場し、2013年秋のドラフト4位で入団した。今季、5月下旬に1軍に昇格すると、6月5日の巨人戦(東京ドーム)で念願のプロ初勝利。その後もほぼローテーションを守り、18試合で4勝9敗の成績を残した。
チームの最終戦だった10月13日のロッテ戦(ゾゾ)でも先発し、四回を終え無失点の好投。2点をリードしており、順調にいけば5勝目の権利が手に入る状況だった。
だが、五回からは10勝目がかかった則本昂が登板。則本昂は3回無失点で勝ち投手になり、入団から6年連続の2桁勝利という快記録を達成した。
則本昂に勝ちを付けるための継投策になることは、試合前から想定されていた。白星を譲った格好の古川は降板後に則本昂から感謝の言葉をもらっていたが、11月23日にあったファン感謝祭でサプライズが待っていた。自身のロッカーに見慣れぬ小包が置いてあり、ウブロが入っていたのだ。エースからの思いがけない“お礼”の品だった。古川は「本当にうれしくて舞い上がってしまった。宝物です」。
楽天の先発投手陣は今季、岸と則本昂に続く3番手が固定できなかった。古川は「岸さん、ノリさん(則本)のお尻に火をつけるくらいの気持ちでやりたい。10勝、防御率2点台が目標」とさらなる躍進を誓った。(金額は推定)(松沢憲司)