皇太子妃雅子さまが9日、55歳の誕生日を迎え、宮内庁を通じて感想を文書で公表した。来年5月1日の新天皇即位と同時に新皇后となる。「この先の日々に思いを馳(は)せますと、私がどれ程(ほど)のお役に立てますのか心許(こころもと)ない気持ちも致します」としつつ、「国民の幸せのために力を尽くしていくことができますよう、研鑽(けんさん)を積みながら努めてまいりたい」とつづった。
上向く雅子さまの体調 プライベートな活動にも広がり
適応障害の療養は15年に及ぶが、雅子さまは「少しずつ果たせる務めが増えてきましたことをうれしく思っております」と記した。
この日にあわせ、治療にあたる東宮職医師団は「依然としてご快復の途上で、ご体調に波がある」との見解を公表。代替わりの行事で多忙になるが、無理をせず治療を続けることが大切と指摘した。雅子さまは「引き続き体調の快復に努めながら、できる限りの公務に力を尽くすことができますよう、努力を続けてまいりたい」とつづった。
また文書では、自身が関心を寄せる子どもの虐待や貧困の問題に触れ、全ての人が安心して暮らせる社会の実現に向け、「それぞれが真剣に考えていくことが必要な時代になっている」との考えも示した。(島康彦)