上皇さまが退位しておよそ1カ月半。天皇の在位中はほぼ休みがない日々だったが、現在は公的活動から離れ、プライベートな時間を充実させている。
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上皇さまは上皇后美智子さまとともに代替わり前と同じ皇居内の住まい(吹上仙洞御所)で暮らす。日課としていた朝の散策を欠かさず、規則正しい生活を送っている。上皇さまはハゼの研究で皇居内の生物学研究所に定期的に足を運び、美智子さまも友人たちとの時間を大切にしている。9日夜には、天皇、皇后両陛下の結婚記念日を祝うため、東京・元赤坂の赤坂御所でご一家で集まった。
宮内庁によると、東京・高輪の仮住まい先への転居準備を進め、毎日のように各部屋を見て回っている。外国元首らから贈られた学術書や標本類を中心に、研究機関に贈るものと、手元で保管するものを分類している。同庁幹部は「かなり量があり、相当大変な作業になる」と話す。
お二人とも高齢で、美智子さまは8日に心臓検査を受けた。宮内庁幹部はお二人の転居についても「ご体調に障らないよう進めていかなければならない」としている。(中田絢子)