宮内庁は30日、上皇ご夫妻が6月11~13日の日程で京都市を訪れ、孝明天皇陵と明治天皇陵にそれぞれ退位の報告をすると発表した。退位に伴う皇室行事の一つ。上皇さまの退位後、お二人が地方を訪れるのは初めて。
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これに先立つ6月6日には、大正天皇陵(東京都八王子市)を訪れることも決まり、京都訪問で、退位に伴う一連の行事を終える。ご夫妻は11日に東海道新幹線の臨時専用列車で京都入りし、京都大宮御所に滞在。12日に孝明天皇の後月輪東山陵、明治天皇の伏見桃山陵を訪れる。それぞれの陵で、上皇さま、上皇后美智子さまが順次拝礼するという。
ご夫妻は代替わり前、神武天皇陵、昭和天皇陵などで退位に伴う祭祀(さいし)を行った。だが孝明、明治、大正の各天皇陵での祭祀は在位中都合が付かず、退位後に出向くことになった。
今回は退位後の行事であることを明確にするため、東京駅を出発する際の三権の長の見送りはなく、車も一回り大きな「センチュリーロイヤル」ではなく通常のセンチュリーを使うという。(中田絢子)