生産請負制を導入する直前の小崗村。大干ばつに遭い、農民は困窮を極めていた＝１９７８年１１月、安徽省鳳陽県提供

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１９７８年冬。内陸部の寒村にあるかやぶきの家に１８人の農民が集まった。

「我々は農地を各戸に振り分け、各戸の責任で上納する。もし我々幹部が死刑になったら、子供は１８歳まで仲間で育てる」

字が読めない仲間を代表し、厳宏昌さん（６９）が紙に書いて読み上げた。ほの暗い明かりに照らされた連判状に母印が押されていった。

当時禁止されていた生産請負制の実施を誓った小崗村の村民らの連判状。それぞれの母印が押されている＝安徽省鳳陽県提供

当時は人民公社による集団生産体制。共同作業で、収穫物も分配され、私有財産が一切許されなかった。その原則に反して１８人が決めたのは、政府への供出の余剰分を各農家のものにする「生産請負制」。やる気を引き出し、収穫を上げるためだ。この年の秋、村は干ばつに襲われ、大人も子供も街へ物乞いに出た。生きるための決断だった。

村の名は安徽省小崗村。改革開…