燃料税の引き上げ方針をきっかけにフランス全土に広がったジレジョーヌ(黄色いベスト)の大規模デモが、15日も各地で繰り広げられ、5週連続となった。マクロン政権は燃料増税の1年凍結や最低賃金引き上げで収束を図ったが、やまない。運動はマクロン大統領が主導する欧州連合(EU)改革にも影を落とす。
パリでは15日、中心部のオペラ座付近で治安当局がデモ隊と衝突し、催涙弾が飛び交った。西部ナントや中部サンテティエンヌなどの地方都市でも衝突が伝えられ、仏内務省によると、午後3時現在、全土で3万3千人以上が参加している。AFP通信によると、ベルギーとフランスの国境付近で14日夕、デモによる道路封鎖で停車していたトラックに車両が追突し、男性運転手が死亡した。一連のデモに関連する死者は7人になった。
マクロン氏は14日、「我々の国は落ち着きと秩序が必要だ」とデモの沈静化を呼びかけていた。10日には残業代を非課税にするなど、総額約100億ユーロ(1兆3千億円)にも上る臨時の家計支援策を発表した。
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支持率、わずか20%に
だが、デモに参加したパリ郊外の庭師バイエ・ヤニックさん(41)は「政府が最低賃金を引き上げても、月収1200ユーロ(約15万6千円)の私の生活の苦しさは変わらない。マクロンの辞任が必要だ」と話した。
一部の参加者は運動をやめたが、世論調査では国民の半数以上が運動を支持する。マクロン氏の辞任を求める声も根強く、デモが収束する気配はまだない。マクロン氏の支持率も下げ止まらず、12日の世論調査では20%まで落ち込んだ。
自らが主導するEU改革でもマ…