キリスト教東方正教会でロシア正教会の管轄下におかれてきたウクライナの教会独立に向け、同国で別々に活動してきた複数の正教会が15日、キエフで聖職者会議を開き、教会統一を決めた。東方正教会で最も高い権威を持つコンスタンチノープル全地総主教庁(トルコ・イスタンブール)から1月にも独立の承認を受ける見通しだ。ロシア正教会は激しく反発している。
会議には、1991年にウクライナがソ連から独立した後、正式な承認を得られぬまま活動してきた「ウクライナ正教会(キエフ総主教派)」などの聖職者や関係者190人以上が出席。新たに統一したウクライナ正教会トップの府主教に、キエフ総主教派のエピファニー主教を選出した。
ロシア・プーチン政権と対立するポロシェンコ大統領は会議に出席し、統一を歓迎した。ただ、ロシア正教会の監督下で活動する「ウクライナ正教会(モスクワ総主教派)」は統一を拒否。高位聖職者90人のうち会議に出席したのは2人にとどまった。
キエフを含むウクライナ東部は17世紀後半にロシアに併合され、当時のコンスタンチノープル全地総主教が出した文書を根拠に教会もロシア正教会の管轄下にあるとされてきた。しかし、ウクライナ政府から働きかけを受けたコンスタンチノープル全地総主教庁が10月、当時の文書の効力を取り消し、独立への手続きが始まった。東方正教の最大勢力であるロシア正教会は反発。全地総主教庁との関係断絶を宣言する事態に発展している。
今回のウクライナ正教会独立の…