フランスのフィリップ首相は16日、仏メディアのインタビューで、2019年予算案で財政赤字が膨らみ、欧州連合(EU)が定める財政基準を満たせないとの見通しを明らかにした。政府の燃料税引き上げ方針をきっかけに仏全土に広がったジレジョーヌ(黄色いベスト)のデモを鎮めようと、マクロン大統領が今月に打ち出した臨時の家計支援策が原因だ。EU改革を訴えてきたマクロン氏の発言力が低下するおそれがある。
仏経済紙レゼコー(電子版)のインタビューで語った。フィリップ氏は、19年予算案の財政赤字がGDP比で約3・2%になり、EUが求める「3%以内」を超える見通しだと認めた。「19年予算を執行していく中で、(増えた支出を埋め合わせるだけの)節約方法を見つけなければならない」とも語ったが、具体策には踏み込まなかった。
財政再建を掲げるマクロン政権…