イタリア北部ジェノバで8月、高速道路の高架橋が崩落した事故の現場に新たに架けられる橋の建設計画が18日、発表された。事故では43人の死亡が確認されており、新しい橋の上には犠牲者数と同じ43本の照明灯を設けるという。
同日に記者会見したジェノバ市のマルコ・ブッチ市長によると、新たな橋のデザインは、ジェノバ出身の世界的な建築家レンゾ・ピアノ氏が担当する。建設費用は2億200万ユーロ(約258億円)。同氏が技術監督を務め、複数の建設会社が施工する。2019年中の完成を見込み、20年に開通させる予定という。だが、事故で崩落せずに残った部分の解体作業は進んでおらず、新たな橋の建設工事が予定通りに進むかどうかは未知数だ。
崩落した高架橋は、同国の建築家リッカルド・モランディ氏が設計したコンクリート橋で、1960年代に完成。崩落の原因は検察当局が捜査中だが、伊メディアによると、腐食が起きやすい構造上の問題を指摘する声が、事故前から専門家の間で上がっていたという。(ローマ=河原田慎一)