日本海に面したロシア極東の沿海地方で16日、やり直しとなった知事選の投開票が行われ、プーチン大統領が全面支援する候補が勝利した。ロシアの知事選では与党候補が勝利するケースが多く、今回のような苦戦は珍しい。背景には、年金制度改革が国民に不評で、プーチン氏の支持率が低迷している事情がある。プーチン氏は支持率回復をはかるが、妙手は見あたらない状況だ。(モスクワ=石橋亮介)
地元の選挙管理委員会によると、16日に行われた3回目の投開票の結果、前サハリン州知事のコジェミャコ沿海地方知事代行が得票率61・88%で勝利した。
今回の知事選はもともと今年9月上旬に行われた統一地方選の一つだった。1回目の投開票では、プーチン氏率いる与党「統一ロシア」の別の候補がトップだったが、当選に必要な過半数の得票を得られず、決選投票になった。
決選投票は共産党候補との「一騎打ち」となり、9月中旬に実施された。統一ロシア候補は開票作業の最終盤、得票が一気に伸びて逆転。そのため、中央選管は「不自然」として今回の再選挙を命じた。
プーチン氏は苦戦した前候補に…