北方領土を管轄するロシア・サハリン州のユジノサハリンスクで15日、北方領土を日本に引き渡さないよう政府に訴える集会があり、約200人の市民らが「南クリル(北方領土のロシア側呼称)は我々のものだ」などと訴えた。
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11月の日ロ首脳会談では、歯舞群島と色丹島の日本への引き渡しを明記した「日ソ共同宣言」を平和条約交渉の基礎とすることで合意した。この後、ロシアで組織的なデモや集会があるのは初めてとみられる。
集会はロシア共産党サハリン支部が主催。市内の戦勝記念の広場で州議や市民らが拡声機で「国土の一体性を守れ」「領土を売り渡すことは国への裏切りだ」などと声を張り上げた。
第2次世界大戦で祖父が日本と戦ったという参加者の女性(46)は「とても難しい外交問題だが、島の引き渡しは祖父の戦いを否定することになる」と主張。別の女性(30)は「今の政府は何をするか予想できない。中国に領土を譲った前例もあるし、本当に心配だ」と話した。(モスクワ=石橋亮介)