鹿児島県鹿屋市の住宅型有料老人ホーム「風の舞」で入居者が相次ぎ死亡した問題で、市は亡くなった入居者とは別の4人について、介護放棄や身体拘束などの虐待があったと、高齢者虐待防止法に基づき認定した。市幹部が20日、朝日新聞の取材に明らかにした。同日の市議会でも概要が報告された。
風の舞では8月から9月にかけて、介助を担っていた介護職員8人が全員退職。その後、11月中旬までの約1カ月に入居者7人が死亡したため、県が検査に入り、今月7日に運営する法人に改善命令を出した。
市も11月16日以降、立ち入り調査のほか、入居者や職員らからの聞き取りを行っていた。その結果、入居者に床ずれがあることや、身体的な拘束をしていたこと、室内の衛生状態が劣悪であることなどを確認。4人について、同法上の「介護放棄」「身体的虐待」などに該当すると判断したという。4人のうち一部は、すでに他の施設に移っているという。
市は今月19日、4人への虐待を県に報告したが、亡くなった7人については、虐待を確認していないという。(周防原孝司)