鹿児島市の平川動物公園は27日、ホワイトタイガーを含む猛獣の展示を再開した。ホワイトタイガーの飼育員(40)が死亡した事故を受けて、中止していた。
事故発生から19日。飼育員を襲ったとされる「リク」が寝室から出てくると、家族連れなどの来園者から「かわいい」などと歓声が上がった。リクは落ち着いた様子で展示用のおりの中を歩き、時折体を地面にこすりつけたり、爪を研いだりしていた。
おりの近くには、事故の内容や今後の運営方針などが書かれた掲示があり、足を止める人の姿も多く見られた。
鹿児島市の和田小学校4年竹下遼君(10)は「戻ってきてうれしい。前まではかわいいとだけ思っていたけど、やっぱり怖くもあるんだと思った」と話した。家族5人で訪れた同市の会社員福山浩二さん(38)は「悲しい事故だが、動物が悪いわけではない。リクをもう一度見られてよかった」と語った。
石堂昭憲園長は記者団に「事故を繰り返さないように安全対策をした上で、展示、飼育を続けていきたい」と語った。(井東礁)